組織も自らが何ものであるかを知る必要がある

組織、企業、団体が、その分野で最高の、卓越した組織になろうとする場合、組織をほんとうに機能させるもの、そしてすべてのステークホルダーにとっての」もっとも大切なこと」を把握する必要があります。「もっとも大切なこと」は、組織、企業、団体ごとに非常に大きく異なり、また、それが何であるかについては正解も不正解もありません。しかし、組織が成功して、組織内の人びとが目指すことを達成するためには、組織は次の3つの問いに対する自らの回答を探す必要があります。①この組織は、地域コミュニティ、国家、世界全体、または従業員、経営者、株主、顧客に対してどのような役割を演じるか?②それぞれの役割において、この組織は、どのような価値観にもとづいて意思決定や行動を行うのか?③この組織の特別なミッションは何か。世界でこの組織にしか果たせない目的とは何か。その存在理由は何か。また今後は何を目指すのか?組織を優れたものにするためのもっとも重要な要因の一つは、「もっとも大切なこと」(組織がもっとも強く認識している役割・支配的価値観・ミッション)を探し出すプロセスです。

もっとも大切なことのために一週間を計画する

来週の計画を立てるための時間を週末に確保しましょう。確保した時間を次の6つのことにあてましょう。①もっとも大切なことを点検するあなたが書き出した自分の役割、支配的価値観、個人的ミッション・ステートメントを点検し、これらが心の中で常に最優先されているよう確かめる。②もっとも大切なことに関連する長期目標を点検する自分が定めた目標を読み直し、来週に取り掛かることのできる中間ステップを決める。③1週間に取り組みたい目標と中間ステップを選ぶ来週にぜひ入れておきたい行事や活動を選択し、リストを作成する。④自分でコントロールできないスケジュールを入れる会議や面会の約束など、自分ではコントロールできない義務的な活動の予定を確認する。⑤もっとも大切なことに関する活動に関する「塊の時間」をスケジュールとして入れる。⑥それ以外のスケジュールを入れる義務的な活動、もっとも大切なことのための活動のスケジュールを入れたら、それ以外のスケジュールを入れる。スケジュールを組むときには、不意の出来事に対処したり、自己研鑽する余裕を残しておきましょう。過密スケジュールは、ストレスを生むだけです。一週間の予定ができあがったら、行動を起こし、あなたが望んでいる成果を生み出すために何か始めましょう。

「重要」と「緊急」の違いを理解する

限られた時間を有効に使おうとして優先順位をつけるときには、その行事や活動の緊急度だけでなく、重要度を決定する必要があります。あなたにとってのもっとも大切なことの多くは、「重要ではある」けれど「緊急ではない」のです。だから残念なことですが、もっとも大切なものは、まったく大切ではないものに左右されて、どんなに重要なことでもそれが緊急でなければ後回しにされてしまうのです。もっとも大切なことに向かって行動を始めるにあたって、次の二つのことを覚えてください。①優先度の高いものは、私たちの人生において真に重要なものです。②緊急度の高いものは、必ずしも優先度の高いものではありません。それは逆に、真に優先度が高いものに影響を与えます。あなたは、真に優先度の高いものに取り組む時間を作り出さなければなりません。自分にとってもっとも大切なことも、そこに含まれます。

夢と目標

夢と目標の違いについて説明できますか?目標とは、期限が定められた夢のことです。期限を設定するからこそ、夢は「いつの日か」という漠然とした状態から抜け出せるのです。夢自体が命を持ち、実現までの期限を獲得するのです。あなたは夢の実現を頭の中で描くことができます。あなたは目標が達成されたときの気分や人生における変化を想像することができます。目標を設定して実現させるには3つの要素があります。①何をやりたいか(目標)を決める②やりたい理由(目標を支える動機になっている役割と支配的価値観)をリストアップする③どうやってそれをやるかを決める目標達成のためにするべきことを考えたら、それを書き留めます。書き留めたら、それらを実行する順番を決めます。順番を決めたら、それぞれに期限を設定します。ここで大切なことは、計画は日常できることを基本にして立案すること、そして進み具合のマイルストーンとなる中間段階の期限を現実的なラインに設定することです。この作業を行ううちに、あなたは既に目標の達成に向かって歩み出しているのです。

支配的価値観の「明確化ステートメント」を書く

支配的価値観のリストを手短にまとめたら、その価値観が自分にとってどういう意味を持っているかを明確にするために、それぞれ短い文章でまとめてみましょう。さらに掘り下げた価値観の表明であってもいいですし、どうしてそれがあなたにとって大切なのかを伝える宣言であってもいいのです。あるいはその両方でもかまいません。意味の通る形にすることが、あなたの動機づけになります。自分の支配的価値観を宣言ーーすなわち、自分が人生の中でその価値観を完全に実現するときには、自分がどういう状態であるかを記す表明ーーの形で明らかにしておきましょう。あなたの最終リストに残った価値観のそれぞれについて、時間をかけて「明確化ステートメント」を書いてみましょう。自分の価値観を表明するのは、宣言でも描写でも、どんな方法でもかまいません。自分の支配的価値観をつきとめ、具体化する方法は自由ですが、重要なのは、それがあなたにとって道理にかなっていること、自分にとって意味があることを納得できるかどうかです。

「whyドリル」を使ってあなたの支配的価値観のリストを整理する

「whyドリル」は、支配的価値観を理解し、その優先順位をつけるための貴重なツールです。まず、自分の支配的価値観をリストに書き上げたら、次に「whyドリル」を使ってリストを整理しましょう。ある価値観がどれくらい大切か、そしてその理由はなぜかを教えてくれます。さらに深い価値観があなたに作用しているのを見つけたり、リストに書き出した複数の価値観をつなぐ価値観が見つかるかもしれません。このプロセスで浮かび上がってくるパターンに注目しましょう。同じことを別の表現で述べている価値観はないでしょうか?その他いろいろな価値観を表している、もっと大きな価値観はないでしょうか?あなたの「支配的価値観」リストをもとに、以下の質問をしてみましょう。・どうしてこの人や活動、ものごとのために、あれだけの時間を費やしているのだろう?・どうしてこの価値観について、強いこだわりを持っているのだろう?・どうしてこの価値観に関するものに、お金を使うのだろ?・どうしてこのプロジェクトや関係、活動にこれだけエネルギーを注ぎ込むのだろう?・どうしてこの価値観に、ほとんどお金やエネルギーを使わないのだろう? お金やエネルギーを使っている他のものごとよりも大切ではないのだろうか? それとも、大切なのに、他の用事や緊急の用件のせいで、後回しにされているのだろうか?この自分自身への問いかけはきわめて重要です。このプロセスを通して、あ...

支配的価値観を確認する

あなたの支配的価値観をつきとめてみましょう。自分にとって大切なものを明らかにする短い語句を書き出してみましょう。あなたにとって大切なものは、人間でもいいし、活動、場所、気持ちなど、自分にとって大切だとみなせるものならなんでも構いません。そして、忘れないで欲しいのは、今探しているのは、あなたにとって真の支配的価値観と呼べるもの、つまり、ほんとうに自分自身のものだと感じられる価値観だということです。支配的価値観を決定するために短い語句を書き出すときに、以下の質問は役に立ちます。•自分がつきとめた人生での役割のそれぞれについて、もっとも大切と思えるものはなんだろう?•自分にとって真に大切な人、活動、物事は?•他のことに追われていなければ、何をやってみたいか?•残された命があと半年だとしたら、何をしたいか?•心残りなく死ねるとすれば、それは何をやったからだろうか? •自分の死亡告知記事には何と書いて欲しいか?•自分にはどんな特技や才能があるだろう? 何が得意だろう?•人といっしょにやって楽しいことはなんだろう?•ぜひ成し遂げたいとずっと思っているものがあるだろうか?•何をしているときに、すばらしい調和感や心の安らぎを得られるだろう?•何になりたい、何をしたいと常々考えているだろう?•何を人生に捧げたいか?•以上のどれが、自分のほんとうの望みを表しているだろう?以上の質問に答えたら...

あなたの支配的価値観は何ですか?

■支配的価値観とは?支配的価値観とは、「人生において最重要、最優先だと信じているもの」です。支配的価値観は人によってさまざまです。それをどこまで確認できるかで、その人がどこまでほんとうの自分を知り、理解できるかが決まってきます。■支配的価値観の四つの自然の法則私たちの内なる支配的価値観は四つの自然の法則がかかわっています。こうした自然の法則を理解することは、支配的価値観と一致した生き方を送るのに失敗したときに、挫折や不幸といった感情を味わうのがなぜかを知るのに役立ちます。•第一法則その人が自覚しているかどうかは別として、表面に表れる行動には、支配的価値観が強力に影響を及ぼしています。•第二法則人には、心の奥底に抱いた支配的価値観に行動を合わせようとする傾向が生まれつきあります。•第三法則支配的価値観をつきとめ、明確化することで、私たちは価値観の持つ力を、自分の機能を高めるために解放することができます。

自分の役割をきちんと果たす

■役割とは、自分の人生の中で抱える関係と責任のことです。人には、毎日のように顔を合わせる家族、友人、同僚といった他人が必ずいます。こうしたつきあいの中で背負いこむ関係や責任が、私たちの人生における役割を形づくります。■あなたは、自分の意思とは関係なく、すでにいくつかの集団のメンバーになっています。あらためて考えたことなどないかもしれませんが、生まれ瞬間から、あなたは四つの重要な組織のメンバーになっています。①地球というダイナミックなコミュニティのメンバーあなたは無数の生物だけでなく、地球を彩るさまざまな美しい無生物ともメンバーの座を共有しています。あなたをはじめとして、すべての生物、無生物が重要な役割を持っています。この役割をきちんと果たさないと、地球での生存を可能にしている、デリケートなバランスを壊してしまうかもしれません。②人類という集団のメンバーあなたは、それぞれ夢や希望、大志、不安、苦悩、可能性、ハンディキャップを抱えている60億以上の人類という集団のメンバーの地位を与えられています。人類社会をうまく動かしていくために私たちにはそれぞれが果たさなければならない役割があります。③家族どんな境遇の人にも、父親や母親をはじめ、兄弟・姉妹など、家族を構成する血縁者がいるはずです。地球や人類という集団のメンバーとしての役割には携わっていなくても、私たちのほとんどは、息子や娘、兄弟、姉...

自分にとってもっとも大切なものをつきとめる

あなたが自分にとってもっとも大切なものをつきとめるために、自分の『憲法』を作ってみましょう。個人の憲法は高尚な文章で書かれている必要はありません。あなたの個性、ものごとに対する態度、人生やさまざまな事象に対する見解を映し出していれば、それでいいのです。あなたの個人憲法はきっと、これからの人生の重要な根拠になるはずです。あなたにとって何が大切であるかを決めるのに役立つ個人憲法は、3つの要素を含んでいます。まず私たち一人ひとりが人生において果たすさまざまな役割です。この中には自発的に選んだ役割もあれば、外との関係や環境から押しつけられた役割もあります。それらがどこから来たかはともかくとして、こうした役割は、わたしたちの支配的価値観、つまり私たちの行動のほとんどを統御します。私たちの役割も支配的価値観も、人生において何をなすべきかについての、その人の使命感や考え方に影響を与えています。役割、価値観、ミッション(使命感)の3つの関係と、それらが互いに作用し、関係しあう強力な仕組みを理解しておけば、自分がほんとうは何ものであるのか、ひいてはあなたにとってもっとも大切なことは何かをつきとめるのに役立つでしょう。あなたが惜しまずに時間をかけて、自らの支配的価値観をつきとめ、明確にし、書き出しさえすれば、その価値観がおのずと人生におけるバランスを求めてきます。自分にとって重要な役割を確認し、支配的...

いつの日か、きっと…

「いつの日か、きっと…」の後のあなたはどんな言葉を続けますか?こうした思いや願いは、自分にとって何がもっとも大切かをつきとめるための、重要な手がかりになります。毎朝目覚ましが鳴るとき、与えられた時間の使い道については、まったく新しいチャンスが待ちかまえています。そして、生きている限りずっと、そのまっさらな毎日に恵まれているのです。つまり私たちは、現世で「やり直す」ことができます。あなたにはまだ10年の人生が残されているかもしれないし、15年、20年、30年かもしれません。「これからの人生で私は何をしようか」と考えてみることはとても大切なことです。人生の真の充足感とは、この問いに答えて初めて与えられるものかもしれません。私とってもっとも大切なことは何だろう?私がほんとうに成し遂げたいことは何だろう?後世にどんなレガシーを残したいだろう?少し時間をとって、あなた自身がいつか成し遂げたいと思っていることは何かを考えてみましょう。何をやりたいのかを書き出してみましょう。どんなに遠大な現実味のない夢でもいいし、そんなことをしたいと思う「べき」かどうかを考える必要はありません。自分にとって重要であれば何でも書き出してください。あなたの「いつか実現したい」夢は、あなたにとってもっとも大切なことについて、いろいろ教えてくれます。